ANAマイルが貯まるクレジットカードを考える ~追悼・エクストリームカード~
マイルを貯める1つの方法として「クレジットカードを利用して貯まったポイントをマイルに交換する」というものがあります。
僕はジャックスのエクストリームカード(Extreme Card)をメインカードとして使っていました。このカードは利用額の1.35%がマイルに還元できる(100万円分カードで支払うと、貯まったポイントを1万3,500マイルに交換できる)というもので、年会費無料のカードの中では最もANAマイルが貯まるカードとして有名でした。
が、2017年9月、サービスは終了し、自動的にリーダースカード(Reader's Card)というカードに切り替わり、マイル還元率は1.13%に下がってしまいました・・・。
「能書きはいいから結論を」という方は 結論へ飛ぶ ↓
というわけで、すでに5ヵ月経ちましたが今更ながらエクストリームカードに代わるマイルが貯まるカードを考察してみようと思います。
今回は、他のマイラーさんたちのブログでも名前が挙がっている「三井住友カードエブリプラス」「ANAワイドゴールドカード(VISA、マスター)」と「PASMO/Suica一体型 ANA一般カード(※)」を自分なりに比較しました。なお、あくまでもマイルの貯まりやすさとそれにかかるコストパフォーマンスのみの比較になりますので、付帯保険や空港ラウンジ利用権などは考慮していません。
・・・「ANA TOKYU POINT Club Q PASMO マスターカード」又は「ANA VISA Suicaカード」
1.カードの比較
上に挙げた3つのカードは全て三井住友カード(株)が発行するカードで、通常は利用額1,000円に対して「ワールドプレゼントポイント」というポイントが1ポイント(ポイント還元率0.001%)貰えます。
その他に年会費の割引や、通常ポイントの他にボーナスポイントが貰える、以下のような共通のシステムがあります。
① マイ・ペイすリボ(※)&WEB明細書サービスに申し込みで年会費割引
これによってANAゴールドは年会費¥15,120→¥10,260(税込)、PASMO/Suica一体型ANA一般は¥2,160→¥811(税込)となります。(エブリプラスは元々年会費無料。)
※マイ・ペイすリボ・・・指定した毎月の支払い金額を超えた分が自動的にリボ払いになる支払い方法
② リボ払いの利用でボーナスポイント上乗せ
リボ払いの利用(利用代金の請求月にリボ払い手数料が発生していることが条件)でボーナスポイントが貰えます。なお、リボ払い手数料は高くとも毎月15円程度以内に抑えることができます。
===「リボ払い手数料を抑える方法」リンク準備中===
③ 前年度利用額に応じてボーナスポイント上乗せ
前年度の利用額に応じ、今年度のステージ(V1~V3)が決定。その上、今年度の利用額が50万を超えた時点で、利用額に応じて一定割合のボーナスポイントがプラスされる。
V1ステージ:前年度利用額50万円以上100万円未満
V2ステージ:前年度利用額100万円以上300万円未満
V3ステージ:前年度利用額300万円以上
これらを踏まえて、3つのカードを順に説明します。
(1)エブリプラス
① 年会費
無料(無条件)
② リボ払いによるボーナス
利用額1,000円に対し、通常ポイント1ポイントの他ボーナスポイントが2ポイント貰えます。(ポイント還元率0.003%)
ここで一旦、「③前年度利用額に応じたボーナス」を考慮しないで、マイル還元率を計算してみましょう。
エブリプラスはANAの提携カードではないので、貯めたワールドプレゼントポイントを直接マイルに交換することはできません。一旦すべて別のポイントに交換しなければいけません。
マイルへの交換ルートはいくつかありますが、最も高い還元率で交換するには「ワールドプレゼントポイント」→「Gポイント」→「LINEポイント」→「東京メトロポイント」→「ANAマイル」のルート(以下、「LINEルート」と呼ぶことにします)を利用します。
↓ Gポイントの登録はこちらからどうぞ。
※「LINEポイント」→「東京メトロポイント」→「ANAマイル」の交換には「ANA To Me CARD PASMO JCB」(通称・ソラチカカード)というクレジットカードが必要です。
※ 2018年3月31日をもって「Gポイント」→「東京メトロポイント」への直接交換が出来なくなりました。
2018年4月1日以降の交換ルートについては以下の記事を参照ください。
<LINEルート>
ワールドプレゼント1ポイント=5Gポイント(×5)
↓
100Gポイント=100LINEポイント(×1)
↓
300LINEポイント=270メトロポイント(×0.9)
↓
100メトロポイント=90マイル(×0.9)
以上をまとめると
ワールドプレゼント Gポ LINE メトロ マイル
0.003 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9 = 0.01215 =1.215%
最終的なマイル還元率は1.215%となりました。100万円利用なら12,150マイルです。
次に、前年度利用額に応じたボーナスを加算した還元率を考えてみましょう。
③ 前年度利用額に応じたボーナスポイントをプラス(今年度利用額50万円以上が条件)
V1(50万以上100万円未満):利用額の0.0001%のボーナスポイントをプラス
上記計算式の一番最初が0.0031となるので、
0.0031 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9 = 1.2555%
V2(100万以上300万円未満):利用額の0.00015%のボーナスポイントをプラス
同様の計算式により
0.00315 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9 = 1.27575%
V3(300万以上):利用額の0.0003%のボーナスポイントをプラス
同様の計算式により
0.0033 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9 = 1.3365%
(2)ANA ワイドゴールドカード
① 年会費及び更新(入会)ボーナス
税込み10,260円(マイ・ペイすリボ&WEB明細書サービスに申し込まない場合は15,120円)。
入会時及び更新時に2,000マイル貰える。
② リボ払いによるボーナス
利用額1,000円に対し、通常ポイント1ポイントの他ボーナスポイントが1ポイント貰えます。
「③前年度利用額に応じたボーナス」を考慮しない、マイル還元率を計算してみます。
エブリプラスと違い、ANAカードは貯めたワールドプレゼントポイントを直接マイルに交換することができますが、通常ポイントとボーナスポイントで還元率が違います。
通常ポイントは、1ポイント=10マイルで交換できますが、ボーナスポイントは1ポイント=3マイルです。
上記(1)エブリプラスの項で説明したように、ワールドプレゼントポイントは通常ポイント、ボーナスポイントともに1ポイント=5Gポイントに交換可能です。Gポイントに交換後、LINEルートに乗せた場合ワールドプレゼント1ポイントは、×5 ×1 ×0.9 ×0.9 =4.05マイルに交換可能です。
つまり、ボーナスポイントは直接マイルに交換(1ポイント=3マイル)するより、LINEルートに乗せる(1ポイント=4.05マイル)方が高くなります。
まとめると、
ワールドプレゼント(通常) マイル
0.001 × 10 = 0.01
ワールドプレゼント(ボーナス) Gポ LINE メトロ マイル
0.001 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9 = 0.00405
トータルすると、
0.01 + 0.00405 = 0.01405 = 1.405%
最終的なマイル還元率は1.405%(+更新ボーナス2,000マイル)となります。100万円利用なら16,050マイルです。
次に、前年度利用額に応じたボーナスを加算した還元率を考えてみましょう。
③ 前年度利用額に応じたボーナスポイントをプラス(今年度利用額50万円以上が条件)※通常ポイントは変わらず0.01(1%)
V1(50万以上100万円未満):利用額の0.0002%のボーナスポイントをプラス
ボーナスポイントが0.001+0.0002=0.0012になるので
0.01 + (0.0012 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9) = 1.486%
V2(100万以上300万円未満):利用額の0.0003%のボーナスポイントをプラス
ボーナスポイントが0.001+0.0003=0.0013になるので
0.01 + (0.0013 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9) = 1.5265%
V3(300万以上):利用額の0.0006%のボーナスポイントをプラス
ボーナスポイントが0.001+0.0006=0.0016になるので
0.01 + (0.0016 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9) = 1.648%
※ 各条件とも、更新ボーナスとして毎年 +2,000マイル
(3)PASMO/Suica一体型 ANA一般カード
① 年会費及び更新(入会)ボーナス
税込み811円(マイ・ペイすリボ&WEB明細書サービスに申し込まない場合は2,160円)。
ただし、通常ポイントを1ポイント=10マイルで交換する場合、年間6,480円(税込)の交換手数料が必要(一度手数料を支払えばその年度内は何度でも交換可能)となります。(ただし、マイルへの交換を1年おきにすれば2年で6,480円、2年おきにすれば3年で6,480円とすることが可能。このカードでのワールドプレゼントポイントの有効期限は2年のため、3年以上おきに交換することは不可。)(また、1ポイント=5マイルで交換の場合手数料は無料ですが、この場合、マイル還元率が低すぎて、同じくコスト0のエブリプラスに対する優位性は一切ないので、考えないことにします。)
入会時及び更新時に1,000マイル貰える。
② リボ払いによるボーナス
利用額1,000円に対し、通常ポイント1ポイントの他ボーナスポイントが1ポイント貰えます。
「③前年度利用額に応じたボーナス」を考慮しない、マイル還元率を計算してみます。
マイル交換のルートは、ANAワイドゴールドカードと全く同じです。つまり、通常ポイントは、1ポイント=10マイル、ボーナスポイントはLINEルートに乗せ、1ポイント=4.05マイルに交換します。
最終的なマイル還元率は1.405%(+更新ボーナス1,000マイル)となります。100万円利用なら15,050マイルです。
つまり、この時点では、ANAワイドゴールドカードとの差は更新ボーナスの差額の1,000マイルだけです。
前年度利用額に応じたボーナスを加算した還元率を考えてみましょう。
③ 前年度利用額に応じたボーナスポイントをプラス(今年度利用額50万円以上が条件)※通常ポイントは変わらず
V1(50万以上100万円未満):利用額の0.0001%のボーナスポイント
ボーナスポイントが0.001+0.0001=0.0011になるので
0.01 + (0.0011 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9) = 1.4455%
V2(100万以上300万円未満):利用額の0.00015%のボーナスポイント
ボーナスポイントが0.001+0.00015=0.00115になるので
0.01 + (0.00115 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9) = 1.46575%
V3(300万以上):利用額の0.0003%のボーナスポイント
ボーナスポイントが0.001+0.0003=0.0013になるので
0.01 + (0.0013 × 5 × 1 × 0.9 × 0.9) = 1.5265%
2.まとめ
長々と書いてしまいましたが、表にすると以下のようになります。
表1.年間コストとマイル還元率の比較
・・・えーと、自分で作っておきながら、正直この表を見ても結局どれがいいのかいまいちわかりません(-_-;)
この表でわかるのは
コストの安さ:エブリプラス>ANA一般>ANAワイドゴールド
マイル取得量:ANAワイドゴールド>ANA一般>エブリプラス
ということです。
結局のところ、年間のクレジットカードの利用額に応じて、おすすめのカードは変わってきます。
実際に、上記「表1」を使って具体的な年間利用額を当てはめてみましょう。
年間のカード利用額が、40万円の場合、80万円の場合、200万円の場合、400万円の場合で、取得マイルを計算すると以下の表になります。
表2.年間コストと年間利用額に対する取得マイル
だいぶわかりやすい表になったんじゃないでしょうか。「表2」を見ていただいて、実際に年間で利用するであろうクレジットカードの決済額に応じて、取得できるマイルとそれにかかるコストとのバランスで選択すれば良いと思います。
利用額が40万(ステージなし)であれば、エブリプラスとANAワイドゴールドでかかるコストの差は10,260円にもなるのに対し、取得マイルの差はたったの2,940マイルです。ANAワイドゴールドは割高に感じます。一方、エブリプラスとANA一般ではコストの差は4,051円に対し、取得マイルの差は1,940マイルです。4,000円多く支払ってでも2,000マイル欲しいかどうかで、どちらを選ぶか変わってきます。マイルの価値は一般的に1マイル=2円以上はあると思うので、ANA一般を選んでも良いと思いますが、割高感を感じるならば、エブリプラスになります。
利用額50万未満の場合、エブリプラス又はANA一般をオススメします(40万より低くなるほどエブリプラス、高くなるほどANA一般がオススメ)。
利用額が200万円(V2ステージ)であれば、エブリプラスとANA一般のコスト差は4,051円、取得マイルの差は4,800マイルで、ANA一般でもコスト差に見合ったマイルが十分取得できると考えます。一方、ANA一般とANAワイドゴールドのコスト差は6,209円に対し、取得マイルの差は2,215マイルと少なく、ANAワイドゴールドでは割高に感じます。つまり、200万でのオススメはANA一般カードとなります。
つまり、利用額50万以上300万未満の場合、ANA一般をオススメします。
利用額が400万円(V3ステージ)であれば、エブリプラスとANAワイドゴールドのコストの差が10,260円に対し、取得マイルの差は14,460マイルにもなります。同じようにANA一般とANAワイドゴールドのコスト差6,209円に対し、取得マイルの差は5,860マイルです。こちらの場合も、マイルの価値を考えればANAワイドゴールドでも十分差額に見合うマイルが取得できると考えます。
よって、利用額300万以上の場合、ANAワイドゴールドをオススメします。
ここまでカード利用額に応じたおすすめカードについて書きましたが、「マイルの取得にお金をかけたくない」という方はカード利用額に関係なく、選ぶべきカードはエブリプラス一択です。年会費、交換手数料ともに0というのは大きな魅力です。
3.まとめのまとめ
くどいですが、おすすめカードをまとめると以下の通りです。ちなみに、年間利用額約200万ほどの僕はPASMO/Suica一体型ANA一般カードをメインで使っています。
※ 補足
ANAワイドゴールドカードを選んだ場合、VISAとマスターで違いはほとんどありません。好きな方のブランドを選んでください。
ただし、PASMO/Suica一体型ANA一般カード(「ANA TOKYU POINT Club Q PASMO マスターカード」と「ANA VISA Suicaカード」)には少しだけ違いがあります。搭載される電子マネーがPASMOかSuicaかの違いの他、ANA VISA Suicaカードには家族カードがありません。僕は夫婦で、引き落とし口座、月々のリボ払い手続き、取得ポイントをすべて一本化したいので、奥さんに家族カードを使ってもらうためにANA TOKYU POINT Club Q PASMO マスターカードを使っています。ちなみに、家族カードの年会費は、マイ・ペイすリボ&WEB明細書サービスに申し込むと475円です。
三井住友カードエブリプラスを発行するなら、「ちょびリッチ」からなら今なら1万円分のポイントが貰えます(発行後、翌月末までに5,000円以上の利用が必要)。(H30年3月1日現在)年会費無料のカードなので作っても損はしません!
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