マイ・ペイすリボの手数料を最安に抑えつつボーナスポイントをもらう(検証編)
先日「序章」として、マイ・ペイすリボを利用したリボ払いのしくみと恐ろしさについてお話ししました。
今回は本題の、マイ・ペイすリボの手数料を最安に抑えつつボーナスポイントをもらう手法についてお話します。
↓(前回記事)
1.ボーナスポイントの重要性
上の前回記事で説明した通り、リボ払いはクレジットカード会社への借金をしながら、毎月定額を返済していく支払い方法なので、当然、借金額が大きければ支払う利息(リボ払い手数料)は高額となります。ただし、ボーナスポイントを得るためには、この借金をする必要があります(リボ払い手数料が発生することが、ボーナスポイント取得の条件)。
ちなみに、例えば三井住友カードエブリプラスというカードを利用していて、貯めたポイントをマイルに交換する場合、マイ・ペイすリボ利用によるボーナスポイント有りの場合は還元率が1.215%なのに対し、無しの場合はたったの0.405%にしかなりません。その差は0.81%にもなります。年間利用額が100万円なら8,100マイルもの差になります。ANA一般カードやANAワイドゴールドカードの場合でも、マイ・ペイすリボ利用の有無で0.405%の差がつきます(リボ払い有り=1.405%、リボ払い無し=1%)。(前年度利用額によってはどのケースでも還元率はもっと上昇しますが、その差は変わりません。)
↓ 各カードごとのマイル還元率の計算は以下の記事参照
マイ・ペイすリボによるボーナスポイントがいかに大きいかがわかっていただけたと思いますので、リボ払い手数料を最小限に抑えつつボーナスポイントをもらう方法について説明します。
2.ボーナスポイントをもらいつつ利息を抑える
リボ払い定額料金は申込時に自分で設定します(もちろん後で設定、変更することもできます)が、毎月、決済額の決定後にホームページや電話で支払額の臨時増額(減額)を申し込むことができます。これを利用して、借金額がなるべく少なくなるように毎月1回臨時増額の申し込みをすれば良いのです。ただし、ボーナスポイントがもらえる条件として、「支払い月にリボ払い手数料が発生」しなければいけませんので、あまりにも少額の借金では利息が発生せず、ボーナスポイントの対象になりません。
<利息(リボ払い手数料)シミュレーション>
では、ボーナスポイントがもらえる最小の借金額がいくらになるのか検証してみましょう。
実はこの金額は最初の支払い月(最初にリボ払い定額料金を超えた月)と2カ月目以降の支払い月で変わります。それはなぜかというと、借金している期間が違うからです。
カードの支払いは、毎月15日締め切りで翌月10日の支払いです(「毎月末締めで翌月26日に支払い」も選択可)。
(ⅰ)最初の月(1回目の支払い)
例えば、12月16日にカードを使い始めたとしたら、1月15日までの利用金額(仮に15,000円とする)の支払日は2月10日となります。その支払額を(15,000-x)円とすれば、2月11日からx円の借金が始まりますが、次の締め切りは2月15日なので、3月10日に支払う利息の対象は2月11日~15日までの5日間分の借金だけとなります。(ただし、もし2月10日が土曜日だった場合、支払い日は月曜日である2月12日までずれ込みます。さらに2月12日が祝日だったら、支払い日は2月13日までずれ込みます(今年の2月がまさにそのパターンでした)。この場合は3月10日に支払う利息の対象は、2月14日から15日までの2日間分だけとなります。より利息が小さくなるこのパターンで計算します。)ANA一般やANAゴールドのリボ払い手数料の年率は15.0%なので、その計算式は以下の式となります。
x × 0.15 × 2(日)÷ 365(日)= 3x/3650
これが1円以上となる必要があるので、
3x/3650 > 1
x > 3650/3 ≒ 1216.67
つまり、カレンダーに関係なく確実に利息を発生させるためには、最初の支払い時には1,217円以上の支払い残高(借金)を残す必要があります。
なお、補足になりますが、借金が発生するのは最初の支払い日の翌日以降なので、当然、最初の支払い金額に対しては、一切ボーナスポイントが付きません。最初の月は利用金額自体を抑えめにした方が良いでしょう。
(ⅱ)2カ月目以降(2回目以降の支払い)
2ヵ月目(1月16日~2月15日の利用分)の支払日は3月10日です。分かりやすくするために2月10日は平日のパターンに戻します。仮に2ヵ月目の利用額を30,000円とすると、3月10日の決定額(2月15日締め)は
30,000+x+(xに対する2/11~2/15の利息)
となります。
継続的に毎月ボーナスポイントをもらうためには、毎月利息が発生していなければならないので、2回目の支払い(3月10日)も全額は支払わず、借金(支払い残高)を残します。この金額をy円とします。
3回目の支払(2月16日~3月15日の利用分)日は4月10日です。この時支払う利息は、
(xに対する2/16~3/10分の利息)+(yに対する3/11~3/15分の利息)
となります。
xは先ほどの計算式により、2日分の利息が1円以上になるように、1,217円以上としているので、(xに対する2/16~3/10分の利息)は当然1円以上となるので、3回目(4月10日)の支払い時は確実に利息が発生します。
yをいくら以上にすべきかは、4回目(3月16日~4月15日の利用分)の支払い時(5月10日)から計算します。
4月11日以降の借金額をzとすると、5月10日(3月16日~4月15日の利用分)に支払う利息は、
(yに対する3/16~4/10分の利息)+(zに対する4/11~4/15分の利息)
となります。
この額が確実に1円以上となるようにしなければいけないので、
(yに対する3/16~4/10分の利息)>1
の計算をします。3月16日~4月10日は26日間ですが、月によっては25日間となることもあるので、より利息が小さくなる25日間で計算します(4月10日が土日祝日の場合、4月11~13日にずれますが、その場合yに対する利息の計算期間は長くなるので、考慮しません)。
y × 0.15 × 25(日)÷ 365(日)= 3y/292 > 1
y>97.33
となります。3回目(6月10日支払い時のzの計算)以降も2回目と同様の計算式が成り立つので、2回目以降の支払い時には毎回、98円以上の支払い残高(借金)を残す必要があります。
3.まとめ
以上の検証より、1回目の支払い時は1,217円以上、2回目以降の支払い時は98円以上の支払い残高を残せば、2回目の支払いから継続して毎月利息が発生、ボーナスポイントがもらえることが分かりましたが、これはギリギリの数字なので、より確実とするために1回目の支払い時は1,300円以上、2回目以降の支払い時は150円以上の支払い残高を残すようにすることをお勧めします。
(補足)
しかしながら、実はマイ・ペイすリボの臨時増額は1,000円単位でしか出来ません。1回目の支払い決定額が15,300円なら、臨時増額し支払額を14,000円として、支払い残高を1,300円にすることが出来ますが、15,000円ならばそれが出来ません。この場合は、確実に利息を発生させるため、臨時増額後の支払い額を13,000円にしましょう。この際、支払い残高は2,000円となりますが、この金額に対する2回目の支払い時の利息(5日分)は、たったの4円、3回目の支払い時に支払う利息(26日分)も、21円だけです。